都市は常に更新される。
再開発が進み、建物は新しくなり、
街は効率的で整った姿へ変わっていく。
それでも横浜の野毛は、
昔ながらの路地と小さな店が連なる姿を残している。
不動産の視点で見ると、
これは偶然ではなく、いくつかの理由が重なった結果だと思う。
まず、個人店が中心の商業構造であること。
大資本の大型店舗が少なく、
小さな区画の積み重なりで街が成立している。
この細かな所有と利用の分散が、
一気に街が更新されることを防いできた。
さらに野毛は、観光地でも高級商業地でもない。
日常と娯楽の中間にある、
「地元の楽しみの場」として使われ続けてきた。
人が生活の延長で通う街は、
急激に姿を変える必要がない。
もう一つ感じるのは、
街そのものに目的があるということだ。
店単体ではなく、
路地全体を歩くこと自体が体験になっている。
この“面としての魅力”は代替が効かない。
不動産は立地が価値をつくると言われる。
だが野毛は、文化が立地の価値を維持してきた街だ。
だからこの場所は残り続ける。
建物ではなく、使われ方が街を存続させているからだ。
