太田實中将のご家族には、
戦後、海外での生活の中で
苦労があったと伝えられている。

あるとき日本の首相が、
その苦労をねぎらった。

するとご家族はこう言ったという。

「父の苦労に比べたら大したことはありません」

私はこの言葉に深く心を打たれた。

人は普通、
自分の苦労を語りたくなる。

だが、
本当に誇りを持つ人は、
苦労の大きさを競わない。

父が背負ったものを思えば、
自分の困難は小さい。

そう言える精神。

それは家族の中に
生き方が受け継がれている証だと思う。

だから「太田實」という名は、
今も敬われ続けるのだろう。