先日、NHKのドキュメンタリー
映像の世紀
を見ていました。
その中で紹介されていたのが、東ドイツの歌手
Nina Hagen
の歌でした。
曲のタイトルは
「Du hast den Farbfilm vergessen(カラーフィルムを忘れた)」。
一見すると、恋人が旅行に行くのに
カラーフィルムを忘れてしまった、という
少しコミカルな内容の歌です。
しかし当時の東ドイツでは、
この歌が社会への皮肉として受け取られていました。
灰色の街、物資不足、自由の少ない社会。
そんな時代を生きる若者たちにとって、
「カラーフィルム」という言葉は、
色のない世界への風刺でもあったのです。
そして時代は流れ、
東ドイツ出身の物理学者だった一人の女性が
統一ドイツの首相となります。
それが
Angela Merkel
です。
2021年、退任セレモニーで彼女が選んだ曲の一つが、
まさにこの青春の歌でした。
歴史を振り返ると、
政治や戦争の裏側には、必ず「人の生活」があります。
そして音楽は、
その時代を生きた人の記憶を静かに残していく。
一つの歌が、
国の歴史とつながる瞬間。
「映像の世紀」を見ながら、
そんなことを考えさせられました。
